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「あらま、飼うわけにはゆかないわ。」 ボクのママは最初、そう言ってボクを遠くへ捨てに行ったんだ。 だけど、どうしてもボクはママのところにいたかった。 何度捨てられても戻ってきたら、ママはついにボクを抱いて言ってくれた。 「まあ、立派な首輪をつけているのね。この子、すごく可愛がられていたんだわ。きっと迷いネコなのね。」 それからボクを抱き上げて言ったんだ。 「日本では古来、黒猫は『魔除け』『福を呼ぶ』とかいわれて、商家では黒猫を飼う慣わしがあったのよね。この子も、ウチに幸運を運んでくれるかもしれないわ。」 それからママは、ボクに『ポー』という名前をつけてくれた。 『黒猫』を代表作とするイギリスの詩人「エドガ・アラン・ポー」から名前をもらってくれたんだ。 「ポーが来てから、何度も苦境を切り抜けた。やっぱり黒猫は魔除けなのね。」 ママはいつもそう言って、ボクに頬ずりをしてくれる。ボクはとてもお利口さんだとも言ってくれる。ボクは幸せだ。 でもボクはそろそろ10歳。人間でいうと60歳ぐらいだそうだ。 そろそろママと同じ年になるわけだけど、まだまだボクの仕事は残っている。バブルで借金いっぱいのママに、宝くじが当たるよう頑張らなくっちゃ!
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